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空港土木とは

パシフィックコンサルタンツ株式会社

交通基盤事業本部 航空部 空港保全室

林口 美木

 

空港土木とは

 

空港土木との出会い

親の関係で幼少期からよく関西国際空港を利用しており,空港のスケール感や航空機の壮大なエンジン音に魅了されていました。特に第1ターミナルの美しい建築(レンゾ・ピアノ設計),滑走路2本の配置と海が大好きで,自身の進路を考え始めたころから建築や空港関係に携わりたいと考えていました。空港は都市・交通計画,土木,建築,環境などのさまざまな技術分野が複合した「まさに小さな都市」のようなものです。本校の都市学科では幅広い分野を横断的に学べる学科でしたが、「空港」をテーマとする授業等は存在しませんでした。しかし、大学院修士1年で参加したインターンシップで当社航空部に縁があり2週間勤務経験することになりました。そこで、大学・大学院で学んださまざまな知識や技術分野が横断的かつ複合的に活用し航空機の安全や運用を最優先の考えのもと、日本・世界中の空港に携われることを知り,どこまでも探求できる素晴らしく面白そうな仕事だと感じて入社することになりました。

 

学生時代の伏線回収

学部4年時と大学院の2年間は地盤工学研究室にてプラスチックボードドレーン(地盤改良)の研究をしておりました。空港は広大な土地を要し,日本では基本的には地盤が悪い地点に建設されることが多いため,空港のボーリングデータを見る機会も多いのですが、その度に学生時代を思い出して「ここの地盤あそこより悪いな」など考えてしまいます。また、構造,水理学,環境,測量など大学・大学院の座学で履修した内容を、まるで伏線回収しているかのように業務で行うことが多々あり,先人たちの仰る通り学びはどこかで必ず活きてくるのだな,あの座学時代も意味のある必要なものだったのだな、と感じる日々です。現地踏査などでは,滑走路内の調査をしたり,滑走路を乗用車で走ったり,航空機の翼が目の前を通過したり,非常に面白い刺激的な経験をしております。

 

過去と未来について

大学・大学院時代は飛行機でどこかに飛んでいきたいと思うくらい大変な期間もありましたが,今思えば事前により大変な経験をしておくことで社会人になってからの心の持ち方が楽になるのかなと思います。私は学生時代の大変な期間は実際に飛行機での長時間フライト(旅行等)で気分転換し乗り越えましたが,皆様も苦しいとき,辛いときがあれば、ぜひ実際に空港に来て物理的にも精神的にも飛行機で飛び越えてみてください。一度、俯瞰したり違った視点で物事を見ることで何か新しい発見があるかもしれませんね!

 


        某空港におけるコンクリート舗装の切削_バス内より

                   某空港の排水・気象設備_航空機内より